特別徴収への切り替え拒否顛末

投稿者: | 2020年6月14日(日)

というほど大した話ではないのですが。

先日,「令和2年度 市民税・府民税 納税通知書兼税額決定(充当)通知書」なる書類が送られてきました。
すでに4月に「国民年金保険の第2号被保険者」と「某健康保険組合の組合員」に「復帰」していますので,地方税については特別徴収=給与からの天引き,で支払うことになるはずです。
ということで,4月からの雇用元(派遣会社)の担当者に,特別徴収への切り替えの手続きをして欲しい旨を伝えたら,

「特別徴収は,前年末以降継続して在籍して,かつ,本年6月時点で各種社会保険に加入している場合のみが対象」

という意味不明の理由を言われて拒否されました。
これは,明確な罰則は定められていないものの,地方税法第三百二十一条の三,同第三百二十一条の四および所得税法第百八十三条違反で,大阪市の場合は同様の規定が,大阪市市税条例第42条と同第43条にもあるので,それにも抵触します。
上記法律などで規定されている内容は,大雑把に言えば,以下の2点です。

「所得税の源泉徴収義務者となってる給与支払者(会社などの事業者)は,地方税に対しても特別徴収を行う義務がある」
「給与支払者や納税義務者(社員など)の事情によって,他の徴収方法は選択できない」

もちろん「例外規定」もあるのですが,それは5月末までに退職した場合とか,給与の額が差し引くべき税金の額より少ないなど,かなり特殊な条件だけで,少なくともフルタイムで勤務している場合には該当しないはずですし,税金の徴収方法と社会保険加入の有無は無関係です。

ということで,当然のことながら「提示された理由は法令に違反する」ことを指摘した上で,再考するように強要(?)したところ,会社としては不本意だったようですが,切り替え手続きを進めてもらうことになりました。ただし6月からの「天引き」には間に合わず,7月から来年の3月までの「11回分納」になるようです。
こうやってクレームを入れると「正しい対応」をする,ということは会社の管理部門が,これらの話を十分理解した上で,わざわざこのような意味不明の制限を設けていた,ということだと思われますが,詳細は不明です。いずれにしろ「法律などを守るつもりはない」と言ってるのと同じですので,市税/府税事務所に「公益通報」するかどうかは今後考えます(笑)。

で,この件,検索させると「派遣会社では地方税は普通徴収が当たり前」などと平気で書いている記事が大量に出てきます。が,上記に挙げた法律の各条文は近年に追加や改定をされたものではありませんので,「当たり前」でないことは自明です。
つまり虚偽情報が蔓延してることになり,やはり(この駄文を含めて)インターネットの記事は信用できない,ということなのでしょう。

特別徴収への切り替え拒否顛末」への1件のフィードバック

コメントは停止中です。