1903年に大阪府誌と称する府の要覧のような文書が発行されていて,その全部を国立国会図書館のデジタルコレクションで見ることができます。
大阪だけではなく各道府県でも同じようなものが発行されてるはずですが,それは未確認です。
その大阪府誌ですが第4巻の後半に土木関係の記事がまとめられていて,当時の大阪府が管理していたであろう道路についての詳細なリストが出ています。それによれば
- 一等縦貫線
国道二十九号路線,東高野街道,能勢街道 - 二等縦貫線
亀岡街道,孝子越街道,小栗街道 - 三等縦貫線
丹州街道,牧方街道1)原文ママ。枚方の誤植と推測,木津川海港路線 - 一等横断線
奈良街道,西高野街道,国道第二号,第三号路線 - 二等横断線
暗越奈良街道,古堤街道,竹之内街道,長尾街道,父鬼街道,粉川街道 - 三等横断線
富田林街道,余野街道,尼ヶ崎街道,梅田街道,磐船街道,篠山街道,堺海港路線,安治川海港路線,国道第二十六号路線
が「主要道路」で,それ以外を「補助里道」と称していたそうです。なおここの国道は現在の国道とは異なるもので,「二十九号線」は紀州街道2)現在の国道26号に相当,「第二号線」は京街道3)現在の国道1号に相当,「第三号線」は西国街道4)現在の国道171号に相当,「二十六号線」は中国街道5)現在の国道2号に相当を指しています。
で,「補助里道」のリストはこんな感じで掲載されています。もちろん地名は当時のままです。
上から街道名,起点,経由地,終点,距離が記載されているのですが,この起終点が地名と接続する道路の組み合わせで書いてあり,現在でも起終点だけならば,その特定は難しくないと思われます。
以前から,この「文献」の存在は知っていて,ネット上では徒歩で各街道を巡られてる人の記事も見かけるのですが,インターネット上で公開されているとは思いませんでした。
ということで,今後の「サイクリングコース」の参考にしようかと考えていますが,まず地名の対比表を作らないと・・ということで,現在資料整備中です。