CASIO fx-82 Solar II

投稿者: | 2023年5月6日(土)

5月の連休中にまた台湾に行ってきましたので,旅行記というほどのものではありませんが,追々書いていく予定です。

台湾・台中市の台中駅近くの「太魯閣新時代購物中心」の文房具屋さんでこんな関数電卓を見つけました。
日本国内では廃番となった「カシオの標準入力方式」の関数電卓で,Casio fx-82 SOLAR II という型番が付いています。

日本国内では「fx-260 SOLAR II」という型番のものが逆輸入の形で流通していますがそれとは型番が異なるものの見た目は同じです。
ちょっと調べたところ,fx-260 SOLAR IIと fx-82 SOLAR II の英語版のマニュアルは同じなので,事情は不明ですが台湾では型番を変えて販売しているようです。

このfx-82 SOLAR IIですが,同じような「標準入力方式」であるキヤノンのF-605やシャープのEL-501Jと比べると,キーの数が6つほど少なくなっています。その影響で角度の指定・変換(DEG/RAD/GRAD)と指数モード・桁数固定モード・通常モードとの切替がキーのところに明示されておらず1)国内で販売されていたfx-260Aには液晶の下にモード変更の説明が書いてあった少し煩雑になっていますが,その代わり?に他社の機種にはない「バックスペースキー」があるなど,少し変わった特徴を持っています。
一方,F-605やEL-501Jで出来る2進数・8進数・16進数の計算は出来ません。これはカシオの現行機種のエントリーモデルであるfx-290Aでも対応しておらず,その上位機種のfx-375ES Aで初めて対応していますので,エントリーモデルでは基数の計算は不要という判断なのだと思われます。2)このあたりの取捨選択の基準はよくわかりませんが,キヤノンの関数電卓でも基数計算はF-605では可能ですが,その上位機種のF-715SAでは対応していません
使い勝手についてですが,前述の「モード変換」を自分で覚えておかないとダメという欠点はありますが,他社の2機種と比較して良くもなければ悪くもないというのが個人の感想,という感じでしょうか。いずれにしても「標準入力方式」が良いというのであれば,前述のシャープやキヤノンの機種で十分であり,無理して入手するほどのものではないと思っています。
ちなみに価格は378元,定価は420元で,2023年5月現在のレートでは1700円くらいです。

なお外箱にも書いてありますがこの電卓は「国家考試専用計算機」=政府が行う公務員試験などで使用が認められる電卓に認定されているらしく,裏面にはその認証番号(CA-20)が記載されています。その電卓の一覧は以下の通りで関数電卓だけが指定されているわけではありませんが,いわゆる「数式通り方式」のものはありません。
また今や台湾の企業となったシャープ製の電卓はリストに含まれていませんが,台湾シャープのWebを見る限りでは台湾では電卓の販売はしていないようです。

https://wwwc.moex.gov.tw/main/content/wHandMenuFile.ashx?file_id=1916

なおこの他にも「標準入力方式」の関数電卓をいくつか見かけましたが,電卓購入のための旅行ではないので(笑),今回は見送り,また次回見かけたらどうするか決めます。

References
1 国内で販売されていたfx-260Aには液晶の下にモード変更の説明が書いてあった
2 このあたりの取捨選択の基準はよくわかりませんが,キヤノンの関数電卓でも基数計算はF-605では可能ですが,その上位機種のF-715SAでは対応していません