先日のイベントで試乗コースに出る順番を待ってた時に,ちょっと先にいた人が派手に転倒したのを見かけました。自転車に跨ろうとして,バランスを崩して,のような感じでしたが,先に自転車本体が倒れて,その自転車の前三角のほぼ真上に乗ろうとした人が落ちる,というあまり見かけないような倒れ方で,しかもその件の人が,どうひいき目に見ても体重は90kgは超えてるのではないか,という大柄の方でした。
そもそも,ロードバイクは体重の重い人が乗るという想定はされていないはずですが,これは試乗車を貸す出展者が問題ないと判断されたのでしょう。で,ご本人には目立ったケガはなかったようですが,問題は自転車です。
フレームの材質が何なのかわかりませんが,100キロ近い物体(ヒト)が高さ1mぐらいからフレームを直撃することになりますので,無傷であるはずがありません。モノによってはどこかが割れててもおかしくないはずです。
件の人は何事もなかったかのように起き上がって,その自転車に乗って試乗コースに入っていったので,結局,そのあたりはどうだったのかは不明です。
で,こういう「事故」に対処するためかどうかははっきりしませんが,この種のイベントでの「試乗申し込み」の書類には必ず(?)自転車保険の加入の有無を記入する欄があります。ところが,多くの自転車保険では「競技」と「興行」における自転車事故によるケガは免責,つまり保険料を支払わない,です。
「競技」については細かい定義1)専用の競技場での競技,または公道で他の車両を制限して実施する競技,となってるケースが多いようです。よって「ブルベ」は自転車保険的には「競技」ではない,となりますがあったりしますが,「興行」については特に詳細な定義がないように見えます2)ブルベは観客がいないのが普通なので,「興行」にも相当しません 。で,今回のイベントやサイクルモードなどではお客さんを集めて,各出展者が展示や試乗という「出し物」を出すわけですから,「興行」と言ってしまえば,特に否定できるようにも思えません。となると,この種のイベントの試乗会でケガをしても・・ということになりかねないのですが。このあたりはどういう解釈となるのでしょうか?
まさか自転車イベントの試乗会でケガして免責だとは言わないと思いますが,一度保険屋さんに念押しで確認したほうが良いのかも知れません。
ついでに言えば「試乗した自転車を破損して損害賠償請求」となった場合では,個人賠償責任保険では「日常生活における偶然の事故」による損害賠償が対象なので,たぶん大丈夫だとは思ってます3)もしこれが「対象外」ならば,じゃあ「日常生活とは何か?」という不毛な議論が始まってしまう。
【以下追記/2018.12.22】
上記のとおり,個人賠償責任保険は大丈夫だと思っていましたが,よくよく約款などを読むと「他人から借用したものを破損した場合は保険金支払いの対象外」のようです。よって試乗会で「自損事故」を起こしてもどこからも保険金が出ない可能性があって,じゃあ何のために保険入ってますか?と聞いてるのか,という話になりそうです。