サイクルツーリズムは成功するか

投稿者: | 2019年3月10日(日)

滋賀県はいろいろと頑張っています。
http://www.pref.shiga.lg.jp/f/kanko/biwaichi_cycling/biwaichi_top.html

とは言うものの,一般には朝早くクルマか新幹線でやってきて,さっさと一周してその日のうちに帰ってしまう・・というパターンが比較的多いと思われます。
つまり周辺を観光して,おいしいものを食べて,温泉に入ってなどではなく,単にあの距離を,なるべく短い時間で走り切ることに価値を感じている人物が多数派でしょう。
となると,そういう人がもたらす「経済的効果」などは非常に限定的です。せいぜい道中のコンビニや自販機で購入する飲み物代と,昼食程度で数千円,いや人によっては1000円以下になるはずです。来訪者数にも拠るのでしょうが,このような僅かな「経済効果」のために,道路などの「環境整備」をやってるわけであり,そのために税金の支出を行うのは,費用対効果としてはどうなのか?という気がします。もっともこれは私ごときが心配する話ではないのですが。
そのあたりは各地の観光地の関係者もなんとなく気づいているような感じがあって,ゆっくり滞在してもらえるはずの,海外の観光客に向けたPRをやってるところも増えました。

で,先日のサイクルモードライドでも,自転車で来てね!と観光客誘致を目指す各地域が来ていましたが,はたしてうまく行くのでしょうか?
まず走るだけではなくて,観光もしてね!という「意識改革」をやってもらわないことには話にはならないのですが,それが成功したとしても,次は自転車をその地域に持ち込むのが大変だ,という問題があります。
サイクリングヤマト便が使いづらくなっている現状では,輪行だけになりますが,それも決して使いやすい手段ではないでしょう。
ダンボールケースで送るというサービスもありますが,じゃあそのダンボールは旅行中はどこに保管するのでしょうか?。何らかの手段はあると思いますが,そうなると行程に制限が出てきます。
以前の国鉄がやってた「チッキ」のような仕組みがあれば良いのですが,そういうのを復活させる働きかけをやってるような話は聞きません。
飛行機輪行というのも使いづらく,梱包の件を無視したとしても,例えば関西国際空港へは自走もできませんし,スーツケースのように送ることもできません。
梱包の話で言えば,日本航空の「SBCON」などが出てきて,環境は整備されつつあるのですが,空港から/への道中は前後輪を外して電車で,となればどう考えても便利とは言えません。

ということで,いろいろとまだまだ制限が多いので,このあたりをクリア出来るであろう「パッケージツアー」以外ではなかなか上手くいかないのではないか,のような気がします。
JR東日本の「サイクルトレイン」も団体旅行列車という位置付けとなってますし。

ところで,本題とは外れますが,ヤマト便の大きさ制限の話が出てきたときに,日本サイクリング協会とヤマト運輸との間で「自転車輸送についての協議」をする,という話があったのですが,あれはどうなったのでしょうか。
現在,ヤマト運輸では別件でそれどころではないのかも知れませんが,せめてJCAの会員に向けては「話が進んでいない」でも良いので,何らかの形で状況の報告があってしかるべきではないか,と思っています。が,JCAから来るのは「会費を払え」というメールだけです。
まあ今年も払いましたけど。

サイクルツーリズムは成功するか」への2件のフィードバック

  1. 1ro

    公共交通機関・公共サービスが自転車を敵視していた流れが,持続可能社会を目指している現在も根本的に改まっていないですね..
    自転車はたまに買い物で2kmくらい離れたスーパーの往復をする程度ですが,私の生活圏は,自動車にはやさしい道路作りがなされているなと,実感します.

  2. JG3QQK 投稿作成者

    大阪でも堺市内は地場産業ということもあって,比較的自転車が走りやすい道路構造になっています。
    これは行政/首長の意欲と姿勢に拠るところが大きいのではないでしょうか。

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