ツーリング用タイヤとは何か?

投稿者: | 2018年8月4日(土)

私はARAYA Federalという自転車に乗っています。
この自転車は「ランドナーの豪華な仕様を簡素にまとめたサイクリングのための自転車」1)それをフェデラルカテゴリーと呼ぶらしいが,新家工業独自の分類なのかどうかは不明なのだそうで,私は面倒なので他の人に説明するときはツーリング用の自転車だ,と言うことにしています。「ランドナー」という表現は宗教論争に陥る可能性が高いので使いません(笑)。

そんなことはどうでもよい話で,本題です。
ツーリング自転車のタイヤと言えば「ハチサン」が定番ということで,この自転車でもシュワルベのデルタクルーザー26×1-3/8が採用されていますが,昨今はこの種の自転車が絶滅危惧種なのでタイヤの選択肢が少ないのが問題だという説があります。
そのとおりで,ざっと見たところでは「ハチサン」の「ツーリング用タイヤ」と称しているもので,一般に入手できるのは

コルサルディ(パナレーサー)650x38A
https://panaracer.co.jp/lineup/touring.html

ワールドツアー(ミシュラン/深谷産業)
http://www.fukaya-nagoya.co.jp/brand/michelin/products/?id=worldtour

マラソン(シュワルベ/ピーアールインターナショナル)
http://www.g-style.ne.jp/item.php?brand_id=16&item_category_id=10

ルナール(グランボア)
http://www.cyclesgrandbois.com/SHOP/T650_A_F32_SS.html

の4種類だけ,のようです。
ところでこの「ハチサン」というのは,日本では一般のシティサイクル2)私は「ママチャリ」という表記が嫌いなのでこう呼ぶことにしていますや電動アシスト自転車にも広く使われており,先日交換したサイクルベースあさひオリジナル電動アシスト用タイヤもこのサイズです。
しかし,これらのシティサイクル用と「ツーリング用」は何がどう異なるのか,については,はっきりとした説明を見たことがありません。
上記のルナールの商品ページには「ケーシング」と「コンパウント」で「しなやかな乗り心地を実現」とありますが,「しなやかな乗り心地を実現」というのはどのタイヤでも似たような表現が使われているので,特に差異を示すような文言であるとは思えません。
また,上記の4つのタイヤはいずれもスリックタイヤではないので,シティサイクル用のものと比較して,そのトレッドパターンが極めて特殊な形状,ということもなさそうです。
では「軽くて耐久性が高い」のが「ツーリング用」なのか,と推測できますが,

  • ルナールスタンダードが340g
  • コルサルディのスキンサイドが410g,アメサイドが630g3)このタイヤは他のものよりは少し太い
  • デルタクルーザー26×1-3/8が670g

となってるのに対し,例えば,IRCのシティサイクル用「CITYPOPS超快適」は620gだということを考慮すれば,タイヤサイドに保護層を持たないコルサルディのスキンサイドやルナールは「軽量」であることが「ツーリング用タイヤ」の条件だとしているみたいですが,他の商品では必ずしもそれが「絶対条件」ではない感じです。

と言うことで,結局「ツーリング用タイヤ」は何なのかはよくわからない,という結論になりそうです。となると上記の4つだけにこだわることもなく,各社のシティサイクル用のタイヤを含めた選択肢がある,としても差し支えないでしょうか。

ところで,Federalに使われているデルタクルーザー26×1-3/8は,シュワルベ代理店のピーアールインターナショナルで,このサイズの取り扱いがない4)700Cは販売ので,上記の4種類に入っていませんが,新家工業輪界営業部に確認したところ消耗品扱いで,ARAYA/Raleighの取扱店で入手できる,とのことです。
未確認ですが,同様の方法でミヤタアイガーで採用されているCST C1763も入手できるものと考えられ,となれば,「ツーリング用」と称しているものだけに限定しても,もう少しだけ選択肢は広くなっていることになります。

References
1 それをフェデラルカテゴリーと呼ぶらしいが,新家工業独自の分類なのかどうかは不明
2 私は「ママチャリ」という表記が嫌いなのでこう呼ぶことにしています
3 このタイヤは他のものよりは少し太い
4 700Cは販売